20120125

まどマギ

『魔法少女まどか☆マギカ』全12話を木金にかけて観た。面白かったのだけど、ラストはやや拍子抜け。例えるなら、核燃料サイクルがついに廃絶されるのかと思ったら、「もんじゅが完成しました!」だった感。これはハッピーエンドなのかなぁと。

メタ魔法少女もので、個人的には(魔法)少女に世界の欲望と闇を背負わせる世界のルールを批判的に捉えた作品、と思いながら観ていた。特に「魔法少女」と「魔女」の概念で希望と絶望のサイクルを描く論理構成は見事で、1話ごとのお話にブレイクダウンするのにも成功している、と思う。観ていて曖昧なところがほとんどない。

特に前半なんかは、セリフの一字一句が、この「アイドル戦国時代」の世にアイドル(魔法少女)になってくれた少女たちの闘いと苦しみの言葉に聞こえてしまい、辛いほどだった。ところどころ、魔法少女を「売春」の比喩として読ませるようなセリフも出てくる。で、実際「魔法少女」になること自体が罠というか、「まどか逃げてー!」って話になり、サイクルの全否定へと向かう。

と思いきや、結局終わってみると、世界の闇を解消する役目に(魔法)少女を割り振るという病んだシステム(に萌えること?)が最高度に洗練されただけだった感がある。魔女を消すなら、必然的に魔法少女も消すべきだったのでは、というのが自分の不満。実際、まどかの最後の願いはそういう射程を持つものだと思えたし。